タケル・イダイヤの冒険

とにかく感想

羊と鋼の森(映画)の感想

・思い出は物に宿る

挫折し絶望していた外村(山崎賢人)を救うきっかけになったのは「森」を通した祖
母との思い出であった。両親と愛犬を失い孤独に苦しんでいた青年(森永悠希)は「
ピアノ」を弾くことで幸せだった日々を思い出し前向きになることができた。「思
い出は物に宿る」。こういうと何か神秘的な響きに聞こえるが、要は忘れ去られて
いた思い出が物や情景をきっかけにふと思い出されることがあるという話である。
捨てることができず埃を被って部屋の片隅に存在し続ける思い出の品々にも次の出
があるのかもしれない。

・和音(上白石萌音)の気持ち

映画版では触れられていなかったが、和音がピアノを一時やめたのは、外村が自身
のことだけを考えた調律に仕上げていたのを知っていたからということで良いのだ
ろうか。まあそれ以外に由仁(上白石萌歌)のイップスによって和音がピアノを止め
る理由は考えづらいから(単純にショックを受けただけとかもまああり得るが)恐ら
くそういうことなのだろう。

・才能とは

秋野(光石研)は、類い稀な才能をもった一握りの天才だけがコンサート調律師にな れると述べている。ここで言う秋野の才能とは、調律の技術の才能である。一方で
、柳(鈴木亮平)は、どれだけ好きでいるかが才能なのではないかと述べている。ど
ちらが正しいのか、きっとどちらもということなのだろう。才能はあらゆる秀でた
能力に該当する。自身の才能を活かして道を切り開くべきである。